建物
ちちぶ銘仙館は秩父織物、銘仙等に関する民俗学上貴重な資料を収集、保管及び展示し、これらの資料を永く後世に伝え、あわせて、伝統的技術を継承することを目的として設置された施設です。
本館やノコギリ屋根の工場棟などは、昭和5年建造の旧埼玉県秩父工業試験場を利用し、平成13年10月、国の登録有形文化財に登録されている昭和初期の特徴的な面影が漂う建物です。
展示ブース
糸繰室
繭から糸を取る機械が展示してあります。
月の第二土曜には製糸の実演を行います。
繭から糸を取る機械が展示してあります。
糸繰とは、糸染で染め上がった綛状の糸を糸枠に巻き取り、整経あるいは横巻きの工程で仕事をスムーズに行えるように準備をする工程のことです。かつては「手動」で糸繰りが行われていましたが、明治時代にモーターを動力とする糸繰機が登場し、現在に至っています。
毎月第二土曜には製糸の実演を行います。
整経場
三角屋根の工場内には今も現役のイタリー式撚糸機や整経機が並んでいます。
整経は必要な本数の経糸(たていと)を、長さを揃えて織り機に巻き付ける工程です。織り上がる柄や意匠に応じて、経糸に色の違う複数の糸を使う場合は、デザインどおりに経糸を配列します。
捺染室
仮織機や捺染台、力織機が展示してあります。
仮織機や捺染台、力織機が展示してあり秩父銘仙の製造工程に触れられます。
秩父銘仙の最大の特徴である「ほぐし捺染」が、銘仙の大柄で鮮やかな柄を可能にしました。普通のプリントは布地に柄を切った型紙をあて、染め柄を出しますが、「ほぐし捺染」は糸のうちに染めます。表裏が同じように染色されるため、裏返しても同じように着れるのが最大の魅力です。
織場
仮織機や高機が展示してあります
後継者育成講座で使用する織り機が並んでいます。
後継者育成講座で使用する織り機が並んでいます。ちちぶ銘仙館で使用している織り機は手動式です。「髙機(たかはた)」と呼ばれ、明治20年ごろまでは居座機(いざりばた)が主流でしたが、高機の導入でその生産量は増大しその後、モーターを動力とした織機の出現で、生産量は飛躍的に増加しました。
展示資料室
アンティーク銘仙やその他秩父の織物業に関する資料が展示されています。
アンティーク銘仙やその他秩父の織物業に関する歴史的な資料が展示されています。
かつての秩父地域は秩父銘仙が産業の根幹をなし、大正時代には機械化が進み、織物工場は市内に500~600軒もあり、人口の約7割が織物に携わっていたとも云われています。
大正9年に秩父を訪れた歌人の若山牧水は、街中から機音が聞こえてきた様子を「秩父町 出はづれくれば 機織の 唄ごえつづく 古りし家並みに 」と歌われたほどでした。
本館廊下
アーチ型の廊下で、記念撮影はいかがでしょうか?
アメリカ人建築家ライトが考案した大谷石積みの外装や昭和初期の特徴的な装飾との調和が建築的に非常に優れており、三角屋根の工場棟や渡り廊下も含め、2001年(平成13年)10月に国の登録有形文化財に登録されました。アーチ型の廊下で、記念撮影はいかがでしょうか?
ギャラリー
秩父銘仙の着物や資料等が展示されています。
秩父銘仙にちなんだテーマで季節毎にイベント展示なども行っております。
ご案内は「お知らせ」にて行っております。
体験ブース
型染め
型彫室・型染め体験室
型染め体験ができます。
秩父銘仙の生産が最盛期の頃は、デザインの元となる「型彫り職人」が100人以上居たと云われます。型紙は、柿渋で貼り合わせた専用の和紙にひとつひとつ手彫りします。その緻密さはまさに「職人技」です。
織り
織体験室
高機を使って手織り体験ができます。
高機(たかはた)を使って本格的な手織り体験ができます。
手織り機というと難しそうですが、初心者の方でも簡単にコースターを織ることができます。世界で一枚だけの作品を作ってみませんか?
藍染
染場・染体験室
藍染の体験ができます。
藍染の体験で世界でひとつのオリジナル製品が染め上がります。
手染めなので微妙な風合いがあり、使いこむほどに美しい色合いになり愛着のわく一品になります。
染め織り体験詳細はこちら arrow_forward
販売ブース
展示直売所
秩父の織元の製品を購入できます。
ストールや巾着、コースターなどをお買い求めいただけます。
一世を風靡した秩父銘仙は着物から洋服への生活様式の変化とともに、夜具地、座布団地へと移行し、現在では生活様式の多様化、高級化に伴い、著しく減少し、これに変わって生地加工による座布団カバー、こたつ掛け等、室内用品へと変化してきました。
オンラインショップはこちらarrow_forward
後継者育成講座
3年間で秩父銘仙を作る技術を習得する後継者育成講座を月の第2、3、4土曜日に開講しています。